講義室の室温を測ってみよう(2008.8-2009.8)

旧講義室にエアコンがなかった時代に、どれほどひどい環境か測定してみた記録である。2009年7月からエアコンが入ったので、1年分の測定がたまった2009年8月に測定をやめた。以下昔のページに、エアコン設置以後の記録を追加したものを残しておく。

講義室の室温

講義棟(古い方)は、特殊な構造をした建物だ。この建物は、冬寒く夏暑いという狙ってもなかなかできない特性を持っている...とみんな思っているのだが、気がつかなかったことにする人が多い。そこで実際に測るとどうなるかやってみた。こういうときは「ネットワークインターフェース付き自記記録型の温度計を設置して...」といきたいのだが、いかんせん金がない。所詮遊びと割り切って、あるもので間に合わせてみた。そういうわけで器材を流用しているときには、更新が任意の期間停止することがある。それにWindowsUpdateで再起動が起きたときにも更新が止まってしまう。

測定値のグラフ

一日の気温・室温については、物理化学実験室の室温と名古屋アメダスの気温記録を、一時間ごとにプロットしてみた。年間データは、最高温度と最低温度の中央値を示した(最高・最低を両方示すとグラフが重なってしまってよく分からなくなる)。くすんだ青色の帯は摂氏22~24度(湿度50%での快適温度)、水色とくすんだ青色を合わせた部分は摂氏17度~28度(労働安全衛生法->事務所衛生基準規則の範囲)。これと、いわゆる「省エネ温度(実際の温度ではなく冷暖房設定温度)」が、上限が一致してて、下限が3度上になっているのはどうなのか?上限も3度下げた方が...

アメダスのWeb(DB?)は、日付が変わる頃にちょっと困った更新の仕方をするので、0時の記録を取ってこないことにした。

ここ一年の室温・気温
(各日の中央値)
典型的な夏の室温・気温 前日暖房があった
冬の室温・気温
ここ一年の各日の室温中央値グラフ 典型的な夏の室温グラフ 冬の室温グラフ(前日暖房あり)
エアコン付き スチーム入り
典型的な夏の室温グラフエアコン付き スチーム暖房のある冬の室温・気温グラフ

測定値の概観と感想

年間測定を見ると、冬場室温のばらつきが極めて大きい。これは暖房が入った日と入らなかった日(休日など)の差である。

夏場の一日の記録を見ていると、講義室は夜間も暑いままだ。講義室の窓は大抵開けっ放しにしている(台風や出張の時は、閉めている)ので、これは閉め切っているから暑いというわけではない。建物が暖まったまま冷えにくいためだと思う。これは、最高気温の時刻が名古屋アメダスよりも遅れることからも、支持される推論だと思う。夏場は、朝からずっと事務所衛生基準規則の範囲を超えたままだ。

「逆に冬寒いのは、暖まり難いからか?」←と思っていたが、前日に暖房が入っていれば当日暖房が切れていても、一日を通して室温の方が外気温より高くなっていた(暖房が数日切れたままになったときには、晴天の昼間は外気温の方が高くなっている)。どうも体感温度の低さは、足下の寒さと日光の影響ということらしい(南に窓が無い設計のせいだ)。

ところで旧講義棟の天井は3mオーバーなので、せっかくスチーム暖房があっても足下がとても寒い(有り体に言って、痛いぐらい)。測定器は保管棚の上に設置してあるので1.8mぐらいの高さで室温を測っている。足下の測定値は、今回の測定値より5~10℃ほど低い。これはどうにかならないものか...天井に扇風機とか?

ええっ!「予算削減で、エアコン・セントラルヒーティングの使用期間を削る」「期間内でもエアコンの使用・不使用は、気温で決める」。せめて室温を基準にしてくれ...って、そもそもエアコンが付いてないじゃないか...orz

使った測定機器

ワンボードコンピューター(PICNIC:有限会社トライステート)にC-MOS温度センサーIC(S-8100B:SEIKO)を取り付けた。一次の検量線を作ってみると20℃近辺で温度が1度ほど高めになってしまうが、ノイズなどを総合的に考えて気にしないことにした(ここで得た測定値には、もとから標準誤差が1.3度ある)。

ソフトは、サーバに置きたかったのだが、ネットの構造やセキュリティ関係でちょっと無理だった。そこで、パソコンで、測定値をPICNICから取り出し、グラフに加工して、サーバにアップすることにした(最初っから、PCに温度センサーをつけた方が簡単...orz)。

自動温度計検量線
ワンボードパソコンPicnic 温度センサ-ADCの検量線
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