iOS機器で、自作ソフトを動かしたい場合
本学でも「iOS Developer University Program」を利用することになった(2013.12)。このProgramを利用すると、あらかじめ登録した人が、あらかじめ登録したiOS機器で自作アプリを動 かせるようになる。このProgramは、高等教育機関で行うプロジェクト(研究、教育、他の何らかの組織の活動)のためのものである。
利用できる人
本学の常勤教員・非常勤教員・学生(学部・研究科)
利用の仕方
当面は下記の簡易的な仮ルールで運用することにする。利用者がある程度増えたら、正式なルールを作ることにする。
ルール
- 利用資格は、3種類(Agent、Admin、Member)ある。このうち2つ(Admin、Member)が利用可能で ある。
- Adminには、 本学の常勤教員だけがなれる。Adminは自分の 「プロジェクトグループ」を作って、グループの管理に責任を持つ。当面の間、「プロジェクトグループ」の内容は口頭での自己申告でOKである。
- Adminは「利用者(Member)登録、利用機器(iPhoneやiPad)登録、プログラミングに必要な証明書(Provisioning file)の発行」ができる(というか、しなければならない)。
- 本学の学生は、各Adminの「プロジェクトグループ」にMemberとして参加する。つまり、先生を見つけて仲間に入れてもらうか、自分 をメンバーにした「プロジェクトグループ」を作ってもらわないといけない。
- 自分用に適切なAdminをどうしても見つけられない学生は、特例と して当面私が個別に相談に応じる。ただしシミュレーターで動く状態のアプリが すでに作成 済みであることが条件である(つまりアプリの作り方を教わる必要があるような人は、この特例の考慮対象外である)。
参加手順
注意!操作はMacでSafariを使って行う。ブラウザによっては正しく操作できないことがある。
教員の場合(Admin登録)
- AppleのAppleIDを取得する(iTunesStoreで音楽やアプリを買ったりするアレだ)。すでに持っている人もできれば専用にアカ ウ ントを作った方が良い。IDは1Byte文字で作る(ブラウザーによっては、専用ページで文字化けが起きることがあるから)。
- AppleのDeveloper centerのWebページで「Developer」として、AppleIDを登録する。画面右上あたりの「Register」からやる。
- Agent(私)に連絡を取る。大学のメールアドレスでメールをください。メールの内容は、
- 所属、身分、氏名
- 人力連絡用のメールアドレス(Developer Centerを通した連絡は、AppleIDに登録したメールアドレスが自動的に使われる)
- Adminとして登録するAppleID
- AgentからDeveloper center経由で、「iOS Developer University Program」への招待メールが届く。メールのリンクからコンファームする(Safariでないとできないことが...)。
- 「Developer Center」にログオン(ページ右上の「Member center」から)し、自分のページの「Proguram&Add-ons」を見る。「Program Summary」の「Memberships」に「iOSDeveloper University Program」が見つかれば、adminとして登録完了。
- 自分のプロジェクトのMemberに、MemberがあらかじめDeveloper Centerに登録してあるAppleID(この段階ではadminには分からないので、本人に聞く)あてに、DevelocenterのWebページから「Invitation letter」を送る。
- 自分のプロジェクトのMemberが「Certificate」を要求してきたら(Develop centerのWebページで「Pending」になっているので分かる)、「Develop centerのWebページ」で、「Approve」ボタンをクリックし承認する。
- 自分のプロジェクトのMemberから、iOS機器のUDIDを確認し、「Developer Center」で登録する。
- 自分のプロジェクトのメンバー用に、Provisioning Profileファイル(上記のAppleIDとUDIDが記載されたもの)を、AppID(アプリの名前。AppleIDとは違う)がワイルドカードタイプのものとして発行する。
- 新規のmemberやiOS機器が増えるたびに、Develop centerのWebページで新規の登録を行い、必ず上記のProvisioning Profileファイルを「Edit」 して、memberやUDIDを追加する(発行し直さない!)。
学生の場合(Member登録)
- AppleのAppleIDを取得する(iTunesStoreで音楽やアプリを買ったりするアレだ)。すでに持っている人もできれば専用にアカウントを作った方が良い。IDは1Byte文字で作る(ブラウザーによっては、専用ページで文字化けが起きることがある)。
- AppleのDeveloper centerのWebページで「Developer」として、AppleIDを登録する。画面右上あたりの「Register」からやる。
- 自分の所属するプロジェクトのAdmin(先生)に連絡を取る。連絡の仕方や内容は各Adminに聞く。
- AdminからDeveloper center経由で、「iOS Developer University Program」への招待メールが届く。メールのリンクからコンファームする(Safariでないとできないことが...)。
- 「Developer Center」にログオン(ページ右上の「Member center」から)し、自分のページの「Proguram&Add-ons」を見る。「Program Summary」の 「Memberships」に「iOSDeveloper University Program」が見つかれば、 Memberとして登録完了。
- 自分の開発用Macの「キーチェーンアクセス」の「証明アシスタント」で、「認証局に証明書を要求」を行い、できた「証明書要求ファイル(ファイル名は自由)」を、 MacのDisk上に保存する。
- Developer centerのWebページで、Certificateファイル発行の要求を行う。このとき上記「証明書要求ファイル」を求められるので、正しく指定する。
- 自分の所属するグループのAdminによる「Certificate要求の承認」を待つ。
- Developer centerのWebページで、自分のCertificateファイルをダウンロードする(上記承認がなされないとできない)。ダウンロードしたCertificateファ イルをダブルクリックし、自分の開発用Macの「キーチェーンアクセス」に開発用の鍵を登録する。
- 自分の所属するグループのAdminに、アプリをインストールしたいiOS機器のUDIDを登録してもらう(方法は各Adminに聞く)。
- 機器登録完了の連絡がAdminからあったら、「Developer Center」にログオンし、自分の所属するグループ用のProvisioning Profileファイルをダウンロードする。
- Provisioning Profileファイルをダブルクリックし、自分の開発用Macの「キーチェーンアクセス」に登録する(またはXcodeで指定)。
- プログラミングして、実機で確認(いかなることが起きても自己責任)する。楽しむ。
プログラミングでの使い方
実機にインストールするための開発手順は、
- Bundle Identifierを正しく指定する必要がある
- ケーブルで繋いだiOS機器を指定する
の2点以外は、普通のシミュレーター用と同じである。
注意点は、CertificateファイルもProvisioning ProfileファイルもCertificateファイル申請を行った開発パソコンのアカウントに結びついていると いうことである。開発用のMacを変えるには(あるいは複数台使うには)、キーチェーンを有効な状態で丸ごと新しいMacに移す必要がある(これが可能かどうか、私は知らない。この点は自分で調べるように)。言い換えるとApple Developer CenterのWebページから、両ファイルを新しいMacで再ダウンロードするという方法は有効ではない。
CertificateファイルとProvisioning Profileファイルを作ったMacにケーブルで直接繋いだiOS機器へ、自作アプリをインストールする方法は、Xcode5の 場合、
- Macのシミュレーターで動くものを作る(Bundle Identifierを、自分の開発グループのものにしておく。実際のBundle Identifieは、各自の属しているグループのAdminに聞いてくださ い)
- Xcodeを起動した状態で、iOS機器をケーブルで繋ぐ
- XcodeのOrganizerが起動し、[DEVICES」リストにiOS機器が表れる(場合によっては、機器の確認に時間がかかるので、終わるまで待つ)
- リストのiOS機器をクリックし、もしProvisioning欄が「No provisioning profile」になっていたら、Provisioning欄の「横向き矢印」アイコンをクリックするか、iOS機器の黒三角をクリックし 「Provisioning Profile」をクリックする。
- 「Provisioning Profile」のリストが表れる(多分項目は何もない)。左下の「+」アイコンをクリックし、ダウンロードした自分のプロジェクトチームのProvisioning Profileを選択する。緑色のチェックマークがついた項目が表れたらOK。Organizerを閉じる
- Xcodeのメニューバーの「Product」から「Destination」でケーブルで接続したiOS機器を選ぶ
- iOS機器の電源を入れ、画面ロックを外す
- Xcodeのメニューバーの「Product」から「Run」をクリックする
- iOS機器の画面が、作ったアプリの動作画面になると成功
おまけ(言わずもがな):アプリの配布・販売
「iOS Developer University Program」ライセンスの下で署名(CertificateとProvisioningによる)されたアプリは、登録機器以外にはインストールできない。つまりそのままでは配布も販売もできない。
iOSのアプリは、無料配布も販売もiTunes Storeでのみ行える。従って、自作アプリを他の人(memberやadmin以外の人)に使ってもらうためには、あらためて「iOS Developer Program(2014現在、年額8,400円)」に自分で参加する必要がある。この件に関しては、各人で調べて自己責任で行うこと、またアプリの名称や説明に本学の関与があるかのような記述を無断で行ってはならない(どうしても必要なら本学広報の許可をとること!)。
おまけ2 プログラミングの入門書
iOS用のプログラミングを行うためには、むろんAppleの各種ドキュメントをよむのが正しい。しかしBilderを使ったプログラミングを手軽に学ぶ本としては、iOS7・Xcode5の場合、「詳細!Objective-C iPhoneアプリ開発 入門ノート(大重美幸著 ソーテック)」あたりで勉強するのもありかと思う。この本は、題名の割にObjective-Cの話のみではなく、アプリ作成のよい入門になっている。ただしプログラミングの基礎は、他のObjective-C入門の本や他のプログラミング言語の練習で勉強しておいた方が...
(2015追加)開発言語の標準がSwiftになるようです.当面Objective-Cでも開発ができますが,今後のことを考えると新しく学習する人は,Objective-CではなくSwiftで勉強しましょう.